ヒューマンドラマ 戦争 美楽映画

映画「戦場のアリア」感想・おすすめ度・おすすめシーンを紹介

 

制作年:2005年

ジャンル:戦争・ヒューマンドラマ・実話が基

監督:クリスチャン・カリオン

 

あらすじ

第一次世界大戦中、今から105年前の1914年のクリスマスイブに起きた

実話を基に制作された奇跡の物語。

この物語を見ても、まだ争いを続けますか?

 

いーぬ。的総評

5段階評価中

 

評価基準は「サイトマップ」の美楽映画より↓

プロフィールとサイトマップ

  「今の私、本当に幸せ?後悔しない?」   自分の人生を振り返った時 問いかけた言葉は 至極単純なものだった。   はじめまして。日向端いーぬ。と申します。 &nbsp ...

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注意

以下、ネタバレ含む感想がありますのでお気をつけ下さい。

 

 

ざっくり相関図

 

まず私が無知なのもあるが、今どっち側の軍の話なのか少し分かりにくい所があったので

ざっとまとめてみました。

 

何度も観ていたら分かってくるのだが、一回見ただけでは

歴史に詳しい方じゃなければ難しいかも。

 

【ココが原点】教育が生んだ悲劇の固定概念

 

まず冒頭で、各国、子供時代に教わってきた敵国の非倫理的な人間性というのを教わってきた

という事を思わせるシーンから始まる。

 

純粋な子供に何を言わせているんだ・・・

 

かわいい子供から出た発言とは思えない教育が、成長するにつれて自然に

”戦争することが当たり前な事”

な考え方になっていってしまうのは、至極当然だと思わせる。

悲しい時代背景なのが窺えます。

 

スコットランド軍側視点では、

やがて大人に成長していく中で、宣戦布告したとの知らせに喜ぶ若い兄弟(スコットランド軍)とは対照的に

”神様、何故ですか?”

と言わんばかりの表情の神父さま。

戦争の惨さを本質的に知っていたのだと思う。

何の正確な情報も無い中で、自分で深く考え、自らの意志で信念を決めるというのはこの時代では今よりずっと素晴らしい事だと思います。

だからこそ、神父さまのこれから先の悲しみを表現した表情がとても印象的でした。

 

いつだって振り回される側の人間は、魂から涙を流す。

いつの時代も。

 

【ココが泣ける】神父の”音”から始まった奇跡「I'm Dreaming Of Home/故郷の夢」

 

恐らく開戦してから少し経ったであろう頃、物語は序盤から局面を迎える事になる。

フランス側主観から戦闘は始まるが、つい今まで話していた仲間が次々と倒れて行く光景に

戦争の指揮官としての肩書が如何に無力な事か、

部下と”目”を合わせた時に思ったのではないかな。

 

人の心を忘れていなかったこの人はえらい。と同時に憔悴しているように見える。

きっと何度もこの光景を目の当たりにしすぎて、いつでも心が限界に達しようとしていたのかもしれない。

”目覚まし時計”の兵士が居なかったらとっくに壊れていたでしょうね。

 

目まぐるしく忙しい塹壕の中や銃撃戦の様子がよく分かる戦場のシーンは見所の一つでしょう。

正に息をする暇もないのが分かります。

 

一方友軍のスコットランド軍では、兄弟に悲劇が襲う。

この悲劇が後に更なる悲劇を生むことになる。

 

 

日付は1914年12月24日

クリスマスイブを塹壕の中で迎える各軍。

寒々しい夜空の下で、どこからかバグパイプの音が響き渡る。

 

それはイギリス軍、神父が奏でるI'm Dreaming Of Home」

この映画の為だけに作られたオリジナル曲で名曲です。

 

兵士たちは音に合わせ勇ましく歌っていますが、何と悲しい歌なのか・・・。

 

慣れ親しんだ曲を仲間と合唱するのは楽しく、協調心が上がって良い事なのに

”綺麗な景色の中で育ったあの頃に帰りたい”

と聞こえてきて辛い。

 

どんなに勇敢な人でも家に帰りたいに決まってる。

バグパイプの音色も相まって、笑顔の男たちと歌声と歌詞が複雑に絡み合っていて

このシーンは切なくて泣けます。

 

戦争さえなければ、いつも通りの幸せな一日が始まるというのにね・・・。

 

【ココに感動】人として生まれてきた意味は歌で人を感動させるため「きよしこの夜」の奇跡

 

イギリス軍の歌声、賑やかな雰囲気を聞き

ドイツ軍、テノール歌手が「きよしこの夜」を自軍に披露。

誰もが知る世界共通の曲に、その場に居た多くの兵士が感動。

 

それは国境を越え、人が一つになった瞬間。

 

バグパイプの音がテノール歌手に届いた時の表情に注目してみて下さい。

”届くんだ”

と思ったのか、

ただそこに居る全員に向かって歌う姿は圧巻です。

 

私は戦う意味を無くしたこの瞬間がたまらなく好きです。

涙目の兵士達を思う度、このシーンには何度見ても感涙します。

 

私、この辺りから泣いてばっかだな・・・・。

 

【ココは感慨深い】大事な人を奪われた者と相反する奇跡の宴「戦争は我々を忘れない」

 

奇跡的な休戦状態になり、食べ物を交換しあったりお酒を酌み交わしたりと

あちこちで交流が開始。

言葉は分からなくても皆楽しそう。

その一方で、交流を拒む者がいるのも事実。

 

それは大切な家族を奪われた者。

 

命の奪い合いの中で休戦になったことは何とも美しい事だが、劇中の中の会話で

「戦争は我々を忘れない

と言った通り、仲良しこよしなど出来るはずがない人もいる。

 

これが憎しみを生み、戦争がいつまでたっても終わらない理由だと思う。

人は昔から同じ所でぐるぐる回っているだけなのかもしれませんね・・・。

 

多くの人が”奇跡”を心から感謝したあと、それぞれ各塹壕に戻っていくが

敵であるはずの人間を名残惜しそうに振り返り、とぼとぼ歩いていく姿は

見ていて耐え難かった。

このシーンが本来の人間の心という物を現していると思う。

同じ人間であり、同じ想いをもつ人間だということ。

 

【ココに怒り】冷たい穴を二度と掘らせるな

 

前日の奇跡から明けた朝、各国の指揮官が集まって

「亡くなった仲間を埋葬する時間を設けよう」と話し合う。

 

他の映画でも目にした事がある。

これは騎士道、武士道の精神を尊重するといったもの。

この時間は互いに攻撃することはない。

 

敵味方入り混じっての埋葬を見ていて毎回思う。

 

 

 

何だこれ・・・・

 

何を見せられているのだろう。

 

こんな些細な時間で交わした約束を守れるのなら、最初っから戦争などするな・・・と。

 

この映画の場合、この指揮官に向けてでは無く

もっともっと上のお偉いさん方に向かって思った。

 

もう二度と戻らない人を思いながら、最前線で戦っている者がその手で土を掘る。

自分が何故生きているのかさえ疑問に思ってくる者もいるでしょう。

次第に自分を責める者、感情を無くす者、怒りに支配される者。

 

こうして人は人では無くなっていく・・・。

 

大量に横たわる人とその群れ。

もう居ない人を”今でも元気”だと優しい嘘を手紙に記す人。

 

もう見たくない。

もう見せない世の中にしてほしい。

一体彼らの声はいつになったら届くのか?

 

この光景を一部の人間のせいで起きた出来事なのが悔しい。

ここは怒りと悲しさで涙。そろそろ私の涙腺も限界を迎えそうだわ。何パターンの涙を流させるのかしらこの映画は(困笑)

 

【ココが美しい】敵を自軍の塹壕に招きいれる奇跡

 

あまりにも仲良くなり過ぎた兵達は、戦場では有り得ない奇跡を起こす。

 

「今から我が軍がそちらに砲撃を開始するので、こちらに避難しませんか?」

 

ここにはもう、本来の人間としての意味をもった者しかいない。

奇跡なんて綺麗な言葉で表現しているが、これが普通の事。

共感と優しさをもった人としてのあるべき姿です。

 

物語上、交流はこれで最後となります。

ショパンの別れの曲にも似た悲しい曲と共に

敬意を込めた敬礼、握手、自軍に帰って行く兵達を見守る目。

 

すべてが優しさで溢れていたこの瞬間を忘れてはならない。

 

ラストは”奇跡”が起こした”悲劇”

 

当然のことながら、今までの奇跡は国にとっては反逆行為。

指揮官は左遷させられ、今まで一緒に戦ってきた仲間と引き離されたりと

一気に現実に引き戻されます。

 

今まで交流してきた者と再び戦えとの命令に誰もが躊躇。

・・・撃てるはずがない。

もうほぼ家族みたいなものでしょうに。

 

怒りで支配されている者を除いては

 

奇跡が生んだ優しさの積み重ねが、一発の銃弾によって悲劇に変わる。

 

また、多くの悲しみと憎しみが生まれる・・

 

そして彼はこの先人生で苦悩する事だろう。

仲間を撃ったのだから。

 

まとめ

 

ラスト、敵国の「I'm Dreaming Of Home」を歌う兵士達からは

運命を受け入れると同時に、自分達は間違っていないという誇りすら感じた。

 

一番耳を傾けるべき人の声というのは、最前線で戦っている者、巻き込まれている者。

現実と向き合って努力し続けている者です。

 

約100年前の出来事だというのに、未だに争いは止まない。

所詮人間には無理な話なのだろうか?

 

だったらこの日だけでもすべての生き物に、平等の幸せが訪れてほしい。

 

100年前のクリスマスも

今年のクリスマスも

100年後のクリスマスも

同じ優しさで溢れる世界である事を祈る。

 

幸せに過ごすことが、人間に与えられた最初で最後の使命だと教えてくれたこの映画は、

是非とも後世に語り継いでいってほしいです。

 

日々、生きている事に感謝して幸せに暮らしていますか?

 

 

この世界で最も賢く、最も愚かなもの。それが人間。

この世界にメリークリスマスを。

 

 

 

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